シャーロット俳句勉強会〜7月度作品抄(2017)

(*)今月の一句

今ひとつ待てど揚がらぬ遠花火        淳子

誰もが懐かしい夏の思い出を重ねる様な一句です。昔、家族揃って見た花火のこと、そして今ではもう二人だけで見ている遠花火。そんな光景です。現地での花火見物は祭り気分で盛り上がり、そんな中で次々揚がり、空を彩る見事な花火と轟く大音響に我を忘れるものです。でも静かに揚がり、開き、すっと消え、その後を追う様に届くやさしい音、遠くから見る花火も情緒ありますね。でも花火の間隔の感じ方が全く違うのです。もうひとつ見たら、もう家に入ろうと思って待つ一発。中々揚がりませんね~。夕涼みのひと時を素直にとらえています。

揺さぶらる大和心や青田風          百々代

夏の夜に陣取りのごと明かりつく       百々代

神宿る地の海静か夏館           百々代

片陰や犬も狭しと集まりぬ          千恵

天草を干す潮騒を聞きながら       千恵

葛餅の舌に懐かし幼き日         千恵

風鈴の揺れていざなふ夢の中       美幸

花の名を聞かれ応へる百日紅       美幸

庭先の話は絶えぬ夕涼し         美幸

今ひとつ待てど揚がらぬ遠花火           淳子(*)

夏に入るはやる心の旅支度              淳子

おはぐろのここかしことぞ生まれけり    淳子

梅雨晴間庭でたはむる群れ雀              敬子

まとまらぬ心を冷やすかき氷         敬子

風鈴の鳴らぬ淋しさ陽の矢射す       敬子

片陰にじっと佇む影ふたつ           精孝

朝採りの薬味をのせて冷し麦        精孝

風鈴のかすかな響き友きたる        精孝

風鈴や床伏す夫の風待てり         きなこ

寂しさの消え行くかなた遠花火       きなこ

乙女子のまぶしき素足砂を踏む       きなこ

夏富士の登山下山や蟻のごと        イサ子

揚花火「たまや」の掛け声なつかしき    イサ子

軒並みの風鈴ひねもす風待てり       イサ子

去る友と作る思ひ出揚花火           由美

帰省子の腕に消えないオリオン座       由美

旅立ちの後姿や走馬灯             由美

冷麦の赤麺競ふ子等の箸                かずみ

湯上りや麦茶どこやと声のして       かずみ

膝枕風鈴の音のかすれ行く         かずみ

もぎ取りて刻む胡瓜の陽の匂ひ       桜子

電話口チェリー着いたとはづむ声      桜子

花火見の夢のひと夜や核不安        桜子

まばたける線香花火父もゐて        恵利奈

白鷺やいつもの水面に佇めり        恵利奈

漬け瓜や父のやさしさ噛みしめる      恵利奈

大胆に空はカンバス夏の雲         一広

風鈴の歌ふ風待つ日もすがら        一広

万緑を洗ひ直して雨後の森         一広

☆俳句は難しそうで自分には無理だろうな〜…..と思っていらっしゃる方、そんなことはありません。 まずは興味をもつことから始まります。『俳句を詠んでみたいな』と思った方は、お気軽にご相談ください。

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