☆Charlotte Haiku Group (Japanese poetry) September, 2016 report☆

シャーロット俳句勉強会――9月度作品抄のご紹介です。

夏から秋へ〜季節の移り変わりを俳句の中に見つけてみませんか？

 

海外会員の作品

時々は蜻蛉の如く羽をやすめ　　　　　　　千恵

南瓜煮る母手づくりの割烹着　　　　　　　千恵

空港の別れと出合ひ鰯雲　　　　　　　　　千恵

平等の空は果まで鰯雲　　　　　　　　　　美幸

秋風や見送る父の背のまろし　　　　　　　美幸

遠回りしてかぐわしき金木犀　　　　　　　美幸

雨上り試し鳴きする鉦叩　　　　　　　　　淳子

新生姜ちょっぴり九谷の皿に乗せ　　　　　淳子

馬の道白粉花のこぼれをり　　　　　　　　淳子

墓参り提灯の灯の消えるまで　　　　　　　精孝

夕暮を逃さじあきつ列をなし　　　　　　　精孝

秋茄子の待ちをり天のもらい水　　　　　　精孝

 

シャーロット会員の作品抄

耳もとに母の声かな花茗荷　　　　　　　    きなこ

ありふれた夕べとなりて穂紫蘇摘む　　　　きなこ

頬染めしグラスに映える葡萄棚　　　　　　きなこ

今朝の秋おちば誘はん風の音　　　　　　　イサ子

阿波踊り客もリズムに加わりて　　　　　　イサ子

三味の音がかすかに聞こゆ秋の夜　　　　　イサ子

洗礼を控へ真鶸の賛美かな　　　　　　　　由美

台風の進路をなぞる帰国前　　　　　　　　由美

長旅を終へし人待つ赤まんま　　　　　　　由美

登山靴結び直して秋の空　　　　　　　　　かずみ

熱々の秋刀魚で待つとメールあり　　　　　かずみ

家中の窓開け放ち秋刀魚焼く　　　　　　　かずみ

食卓の笑顔の先に栗ご飯　　　　　　　　　みどり

縁台に頭の並ぶ月見かな　　　　　　　　　みどり

秋の野の花を母へと駆けし日々　　　　　　みどり（＊）

友ありて病める窓辺の月見かな　　　　　　桜子

カンナ咲くナイヤガラなる虹の中　　　　　桜子

苦を越えしパラリンピックに秋の虹　　　　桜子

秋めくと夕陽に向ける車椅子　　　　　　　一広

がき大将旗手を気どりの捕虫網　　　　　　一広

この坂を駆けおりし日のかき氷　　　　　　一広

 

＊）今月の一句

秋の野の花を母へと駆けし日々　　　　みどり

俳句は今を詠むことと言われています。この句、一見して過去を詠んでいる様ですが、実は今、目の前にある野の花を見て過去の想い出にしたっているのです。何も持たない幼い頃、野の花をとって母に上げたくて一心に走った秋野の思い出、、、、上５に「の音」が三つも重なっていますが、これがまるで百人一首を読む様なリズム感を出しています。

 

俳句は難しくて自分には無理！と思っていらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは興味をもつことから…俳句を詠んでみたいな、と思った方はぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ先：KAZU SUZUKI
<ka.yariho3182@gmail.com>