シャーロット俳句勉強会-11月度作品抄 2021

まだ暖かな日も残るものの暦の上では冬を迎えました。

季節の移り変わりに気づくものは色々ありますが冬の到来と言えば店にでんと並びだす白く艷やかな大根もそのひとつではないでしょうか。そして台所を賄う身には大きな味方になってくれる野菜と感じます。

この時期ならではの瑞々しさはサラダやおろしに、形も様々に味噌汁では多くの具材と相性よく、煮てよし焼いてよし、主役に脇役にと大活躍です。外の景色は色寂しくなる冬ですが、この一本で食卓は彩り豊か。今夜は人参となますにいたしましょうか。

敬子

大根に始まる夕餉支度かな   加藤晴子

11月の作品抄です -

大人びてスマホにポーズ七五三   清裕

落栗を踏まずに走るドライバー   清裕

凩の中へ自転車老い辛し      清裕

簪を揺らしてこの子も七五三    千恵

今朝もまた二度寝をしたき今朝の冬 千恵

冬薔薇一輪紅し庭の隅       千恵

母のこゑ振り向く先に金木犀    美幸

初孫に命のバトン神渡       美幸

雪吊りを見上げる彼方千の風    美幸

参道をゆるりゆるりと七五三    淳子

雪吊りの門より高く自己主張    淳子

さよならを言えず今宵の鍋囲む   淳子

ご褒美の鹿の骨噛む狩の犬     敬子

設定の湯量を増やす冬支度     敬子

凩に夕餉の支度急かさるる     敬子

寝る前のリップクリーム冬に入る かずみ

野兎の透きとほる耳天を指し   かずみ

なんとなく背中に視線菊人形   かずみ

静けさや耳鳴り続く冬の夜    イサ子

目に入る空は五線の秋の雲    イサ子

休憩所凩未だ居座れり      イサ子

七五三斜めに載せてゐるベレー  美和子

静けさに木の葉一枚落つる音   美和子

人情にあふれる旅先小春空    美和子

瞳の青き父の紋付七五三     モトコ

炭焼きの男の深き笑い皺     モトコ

減塩の新沢庵やセルフレジ    モトコ

雪吊りの景色に気づく備えごと   桜子

凩に立ち往生の通院路       桜子

菊花展門の大輪守衛めく      桜子

ベランダの汲み置きし水冬ぬくし  澄江

エルニーニョ7個レモンの返り花  澄江

菊人形大輪ひとつ誇らしく     澄江

雪吊りや人守るとは縛るとも    一広

競り声の歌とも聞こえ冬ぬくし   一広

日向ぼこ話は夢と聞き流す     一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com