エプリルシャワーにメイフラワー、米国では春の雨を初夏の花の季節
を待つ楽しみに致します。
日本の熱海の今は春の花盛り、天皇家御用邸跡の小さな花壇を
始め、街中のいたるところで、花々が梅雨を待っています。考えれば
梅雨も俳句には欠かせない季語。花達だけでなく季語を持つ俳句
に親しむ者はいつでも四季を楽しめる幸運児と言えます。
五月雨を集めて早し最上川 芭蕉
雨も素晴らしい俳句の種。自然は美しい、だけど、恐ろしい、そして
敬意する者には正面から答えてくれる唯一最高のものです。
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―5月の作品抄ですー
兄をまねうしろを前に夏帽子 清裕
老多き里に一つの鯉のぼり 清裕
頂きへ登りを競ふ山桜 清裕
朴の花香りの在処何処ぞと 千恵
鳥の恋木々の間に間のダンスなる 千恵
アマリリス赤を尽くして赤々と 千恵
走り梅雨ゴルフの予定日どことどこ 美幸
新緑や水面隅々青満たす 美幸
マグノリアの香り微かに土産箱 美幸
走り梅雨伸びし芝生をなほ高く 淳子
三つ編みを粋に流して夏帽子 淳子
初浴衣丈揃へるも久しうて 淳子
一軒家名入り幟の勇ましき 敬子
心地よき風はギフトや草むしり 敬子
決めかねる引越し日取り走り梅雨 敬子
花は葉に制服少し馴染みをり かずみ
青楓のトンネル抜けてうつつなる かずみ
流し目が決まる男のパナマ帽 かずみ
鳥の群れ騒ぎて止まず青嵐 イサ子
子犬にも救命具つけ夏の川 イサ子
野の花を摘んでは飾る夏帽子 イサ子
パナマ帽ちよつと気取つて夫ポーズ 美和子
若葉風受けてベンチの塩むすび 美和子
一二三とポットの苺赤み差す 美和子
菖蒲の湯明日の弁当何にしよう モトコ
夏帽子背中に跳ねるおさげ髪 モトコ
故郷の団欒山椒魚の夢 モトコ
冒険心掻きたてられし夏帽子 桜子
コロナ世の望む終焉更衣 桜子
ベランダに7つ目の鉢クレマチス 桜子
大漁を知らせるごとし空に鯉 百々代
学童のはずみし声や花蜜柑 百々代
母米寿朴のリボンの帽子行く 百々代
雨後の道香り確かに朴の花 澄江
夏帽子その内似合ふと海辺かな 澄江
白映える登校児らの更衣 澄江
思い出の全てはここに夏帽子 一広
噴水の瞬を待つ間の静寂かな 一広
孑孑の屈伸運動影差せば 一広
お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。
鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com