12月、クリスマスイヴ、貧しい人も貧しくない人も、キリスト教徒であろうとなかろうと、この夜はクリスマス一色にぬりつぶされてしまうようです。日本でクリスマスが行われたのは織田信長が天下を取る少し前、1565年京都にいた宣教師ルイス・フロイスによって行われています。戦国時代の最中、堺で三好義継と松永秀久が対戦中フロイスの呼びかけで、双方とも敵味方を捨てて休戦、夜明けと共に再び戦場へ、いかにも武士らしい姿です。時代が移り、万事アメリカの影響でクリスマスも一般化し、今やデパート、商店などの宣伝で商業主義に踊らされているようです。さて、コロナ禍の今、今年はどうなりますか?
歌ひくく吾子らの聖夜の星つくる 能村登四郎
―12月の作品抄ですー
*
*
巣ごもりや小春日和の旅心 清裕
木守柿幼子の問ふ何故ひとつ 清裕
電飾の正体見たり枯木立 清裕
星ひとつ忘れしままに冬の朝 千恵
コロナ禍や仕事納めもテレワーク 千恵
楽しみは句会もZOOMのクリスマス 千恵
森に落つ冬三日月に時忘れ 美幸
冬夕焼け二人も茜に染めあげて 美幸
お出かけの今日のドレスにどのマスク 美幸
餅焼かるサンバのリズム網の上 淳子
木枯らしにボール取られて空を切り 淳子
毛糸編む夢も毛玉も転がせて 淳子
二寸ほど人参そっと洗いけり 敬子
産直の大根薪のごと積まれ 敬子
皸や父の遺伝子またひとつ 敬子
熱測る三分長し冬の波 かずみ
悪い子はいなくなりますクリスマス かずみ
暮れ六つにひとり年越蕎麦啜る かずみ
針仕事冬麗の光背にうけし イサ子
数へ日や久しき友に一筆す イサ子
落葉積み舞上げっこではしゃぐ子等 イサ子
石焼芋の長き呼び声下宿の夜 美和子
散紅葉路傍の仏埋まるほど 美和子
凍空に跼る夫はしゃぐ犬 美和子
Uber Eatsエリア外とは郷の冬 由美
気に入りのマスクは青地友の作 由美
QRとはと問ふ夫や冬うらら 由美
落葉追ふ睫毛セピアに光らせて モトコ
実南天内緒話のつもりの子 モトコ
夫の背を物差しにして聖樹買ふ モトコ
黄泉にかの湯はありや紅葉降る 百々代
枯葉踏み山気を胸の底までも 百々代
空一杯鱗広がる一日あり 百々代
親は子を子は親思ふ年の暮 一広
角の立つ話を丸くちやんちやんこ 一広
冬ざれや冬の野菜は冬を待ち 一広
お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。
鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com