シャーロット俳句勉強会 -12月度作品抄~2020

12月、クリスマスイヴ、貧しい人も貧しくない人も、キリスト教徒であろうとなかろうと、この夜はクリスマス一色にぬりつぶされてしまうようです。日本でクリスマスが行われたのは織田信長が天下を取る少し前、1565年京都にいた宣教師ルイス・フロイスによって行われています。戦国時代の最中、堺で三好義継と松永秀久が対戦中フロイスの呼びかけで、双方とも敵味方を捨てて休戦、夜明けと共に再び戦場へ、いかにも武士らしい姿です。時代が移り、万事アメリカの影響でクリスマスも一般化し、今やデパート、商店などの宣伝で商業主義に踊らされているようです。さて、コロナ禍の今、今年はどうなりますか?

歌ひくく吾子らの聖夜の星つくる  能村登四郎

―12月の作品抄ですー

巣ごもりや小春日和の旅心      清裕

木守柿幼子の問ふ何故ひとつ     清裕

電飾の正体見たり枯木立       清裕

星ひとつ忘れしままに冬の朝     千恵

コロナ禍や仕事納めもテレワーク   千恵

楽しみは句会もZOOMのクリスマス  千恵

森に落つ冬三日月に時忘れ      美幸

冬夕焼け二人も茜に染めあげて    美幸

お出かけの今日のドレスにどのマスク 美幸

餅焼かるサンバのリズム網の上    淳子

木枯らしにボール取られて空を切り  淳子

毛糸編む夢も毛玉も転がせて     淳子

二寸ほど人参そっと洗いけり     敬子

産直の大根薪のごと積まれ      敬子

皸や父の遺伝子またひとつ      敬子

熱測る三分長し冬の波       かずみ

悪い子はいなくなりますクリスマス かずみ

暮れ六つにひとり年越蕎麦啜る   かずみ

針仕事冬麗の光背にうけし     イサ子

数へ日や久しき友に一筆す     イサ子

落葉積み舞上げっこではしゃぐ子等 イサ子

石焼芋の長き呼び声下宿の夜    美和子

散紅葉路傍の仏埋まるほど     美和子

凍空に跼る夫はしゃぐ犬      美和子

Uber Eatsエリア外とは郷の冬    由美

気に入りのマスクは青地友の作     由美

QRとはと問ふ夫や冬うらら     由美

落葉追ふ睫毛セピアに光らせて   モトコ

実南天内緒話のつもりの子     モトコ

夫の背を物差しにして聖樹買ふ   モトコ

黄泉にかの湯はありや紅葉降る   百々代

枯葉踏み山気を胸の底までも    百々代

空一杯鱗広がる一日あり      百々代

親は子を子は親思ふ年の暮      一広

角の立つ話を丸くちやんちやんこ   一広

冬ざれや冬の野菜は冬を待ち     一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com