シャーロット俳句勉強会 – 12月度作品集 2019

クリスマスの季節。日本の歴史をみると十六世紀に織田信長と松永久秀がクリスマス一時休戦をしています。その後、江戸幕府によるキリシタン禁止令。クリスマスが復活したのは1873年、明治に入ってからです。

「家族、親族が揃って家での晩餐」がこちらのイブ、翌日25日の街は正に静寂、レストランも全て閉店、静かな日を迎えます。

日本のどんちゃん騒ぎのクリスマスとの違いを考えながら静かに年は流れて行きます。

―十二月の作品抄ですー

しばらくは微睡みのなか日向ぼこ        清裕

図書館のクリスマスツリー子の高さ       清裕

吊るし柿紀州連山見え隠れ           清裕

編み始む母のマフラー里帰り          美幸

落ち葉搔く明日には散ると知りながら      美幸

山の端へ惜しむ間も無し秋夕焼         美幸

嚶の眼に映るツリーの清らかに         千恵

冬雀玉のやうに飛び跳ねり           千恵

せはしさの増々増すや十二月          千恵

亡き祖母の姿重ねて毛糸編む          淳子

老猫のもう気にかけぬ毛糸玉          淳子

メキシコの天に伸び行くポインセチア      淳子

茹でだいこ箸もかからぬ柔らかさ        敬子

沼涸りて鴨去りたるや空青し             敬子

葱焼くや音香り立つちりちりと         敬子

タラップをゆるりと降りて冬ぬくし      かずみ

小春日を待ち焦がれたりゴルフ靴       かずみ

冬茜悩みと共に失せにけり          かずみ

国憂ふ無言で諭す返り花           恵利奈

暗闇の木の葉の雫早める歩          恵利奈

イマジンの想ひ再び12月          恵利奈

新しき年号となり去年今年          イサ子

裸木や街の灯りが近くなり          イサ子

踏むたびに落葉の音の新しき         イサ子

冬晴れの街に流るるジャズライブ       美和子

クリスマスツリーオーナメントも土地の名で  美和子

掘炬燵もういいかいの姉の声         美和子

氷上決戦シュッと四回転ジャンプ        由美

通販誌付箋が七つ夜半の冬           由美

母の歩行器トランクに入れ冬うらら       由美

子の踏みしいろは紅葉のオノマトぺ      モトコ

焼き牡蠣を六腑へ送る喉仏              モトコ

天窓の向うモノクロ冬の雁          モトコ

からっぽの館にこだま冬日射す         桜子

仮住まい不満まぎらすポインセチア       桜子

引っ越しのせはしき中のクリスマス       桜子

天窓を開けて出湯の冬銀座           一広

起き伏しに膝の軋みや冬ざるる         一広

句碑二つ囁くがごと能登しぐれ         一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com