シャーロット俳句勉強会 – 9月度作品抄 2023

メキシコに住んで長い年月が流れ、41回目の秋が来ました。9月は“祖国の月”と呼ばれ、国中の町々は国旗色である緑、白、赤の飾りで彩られます。

歴史をたどりますと、1810年9月16日の夜明け、ドローレス村のミゲル、イダルゴ神父は教会の鐘を合図に先住民や混血民を率いて武装蜂起し、スペインからの「独立の叫び」を上げました。イダルゴ神父は「独立の父」として国民の英雄的存在です。何年か前にドローレス村を訪れました。この教会の佇まいは今も変わらず、広場には人々が仲良く散歩していました。 毎年9月になると、この教会の鐘の音が聞こえる様な気がします。  千恵

秋風の山をまはるや鐘の声  加賀 千代女

9月度の作品抄です

 

棚経の読経短く僧多忙        清裕

新涼やあの地この地へ旅心      清裕

ころころと子猫ころがす猫じやらし  清裕

波の上走る潮風秋めいて       千恵

稲光一瞬海を失へり         千恵

水澄むや紺碧に浮く舟ひとつ     千恵

秋の蝉声に誘れ朝の道       美幸

窓開けて見惚れる程の星月夜     美幸

秋涼し嬉しき知らせ二つ三つ     美幸

風の盆胡弓かすかに試験前      敬子

新種とはポップをご覧じ月見豆    敬子

麦とろは母への力父の為       敬子

茗荷咲くここに大きく咲きにけり  美和子

新涼や俳句手帳を道づれに     美和子

コスモスの波にゆらるる家路かな  美和子

縁側におちよこ持ち出す月見酒   イサ子

よいしよからかけ声出して秋の日々 イサ子

一面に雑草の花秋景色       イサ子

秋暑し介護士とする俳句談      桜子

さらにさらに大雨となり厄日かな   桜子

黙々と浸水はきだす九月なり     桜子

年古りて億劫になる更衣       澄江

いつの間に世代は移る秋の暮れ    澄江

八ヶ岳どこまで続く星月夜      澄江

この小さき滝も大河の旅はじめ    一広

行く先は住めば都ぞ草の絮      一広

生きるとは夕陽を目指す雁一羽    一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com