シャーロット俳句勉強会 -8月度作品抄 2021

8月7日は立秋です。俳句は季節に合わせた季語を使う文学です。私達も秋を詠います。

日本は将来を見つめ、アジアの諸国に先駆け太陰歴から世界標準の太陽暦に変えました。

この為、俳句の季語とは約一か月の季節差を感じます。一方、季語の中にも生活や行事

に関しては太陽暦に合うものもあります。例えばクリスマス、母の日等はその例です。

ですから、俳句に慣れた我々は今の季語集をそのまま使います。俳句は本来、季節に感じる

感性で詠いますから、何も猛暑に中で涼しい月の夜を詠う必要もないのです。

他方、季語集の素晴らしさは時々の状況に見合った季語がちゃんと用意されている事です。

例えば、立秋なのに暑い日が続きます。その時秋の季語に「残暑」と言う季語を見つけます。

酢のものを欠かさぬいく日残暑かな    石川桂郎

先の俳人協会会長の豪快な句:     道路、橋、埠頭、桟橋秋暑し   鷹羽狩行

今の季節は季語より一か月は早いと思いますが、私達は感性と季語の選択で作句できます。

季語をよく理解して秋の静けさや豊かさを詠いましょう。     美幸

8月の作品抄ですー

一休みやがて熟睡籐寝椅子      清裕

青葉闇廃棄自転車垣間見え      清裕

盆供養正座の辛き年となり      清裕

終戦日忘れぬ父の語り草       千恵

蔓の間に小さき西瓜の縞模様     千恵

一列の光となるや露の玉       千恵

再会の願ひよ叶へ星祭        美幸

竹の春子らには子らの道を行く    美幸

たわわなる蒲萄はワインとなるを待ち 美幸

留守宅のお帰りなさいと蝉時雨    淳子

雨後の朝母と仰ぎし竹の春      淳子

鳴く蝉をそっとしてやる掃き掃除   敬子

ぢぢばばの家みたいねと蚊遣の香   敬子

盂蘭盆やささやくやうに経をあげ   敬子

溢れる湯大浴場は日焼けの子    かずみ

七夕の願ひの中の鏡文字      かずみ

夏真昼ハンディファンを右左    かずみ

竹の春十三歳の金メダル      美和子

タオル乗せ盥の中の西瓜冷え    美和子

秋の日や黒板アートの洒落たカフェ 美和子

千ピースのパズルを広げ夏座敷   モトコ

蝉時雨ロボット掃除機充電中    モトコ

絵日記の太陽笑ふ終戦日      モトコ

天の川里は佐渡よと胸を張り     桜子

蜩や犬の死紛らす苗育て       桜子

お洒落して父と腕組み星祭      桜子

終戦日父を語りし旅となり     百々代

真鶴へ茂りの下を姉妹旅      百々代

烏賊に添ふ檸檬かじれば海の風   百々代

亡き人のベッドに届く月明かり    澄江

リハビリの帰りの車窓鱗雲      澄江

汗だくに微風たまはる有難さ     澄江

鬨の声かとも古城に初嵐       一広

ぬばたまの黒髪待ちぬ星の恋     一広

墓参り幽霊話今もなほ        一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com