雛祭り;三月と言えば花の季節、でもやはり先ず頭に浮かぶのは雛祭りでしょう。
歴史を振り返ると、奈良時代成人を待たずに命を落とす多くの子供達の健康を願い
厄落としの為に使われた人形に由来します。
平安時代となると貴族の女子たちの間で「ひいな遊び」が流行し次第に祭りの形へ
となっていきます。華やかな人形祭りとなったのは町人文化の花開く江戸後期に
なってから、更に昭和の時代には七段飾りの豪華な物が流行します。
一般庶民、町人が豊かになる事が文化の礎になります。雛祭りの様な町人、庶民の
文化が豊かな世の中、これが平和を表わす姿かも知れません。
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― 三月の作品抄です ―
春一番庭木に絡むポリ袋 清裕
残雪のパッチワークや紀伊の山 清裕
コロナウイルス何も出来ずに春の過ぐ 清裕
車窓より梨の香を受く並木道 美幸
催花雨やかの人逝けり西の空 美幸
雛の顔どこか似ている遠き友 美幸
古雛や守る三代女系かな 千恵
行き戻りして楽しむや桃の花 千恵
揺れ揺れる風船の間に子の笑顔 千恵
春うららコロナウイルス騒ぐ世に 淳子
囀も猫に届かぬ無音界 淳子
ジャカランダ咲く山国やうららけし 淳子
うららけし模型のやうや護衛艦 敬子
包丁を刺すほうれん草根の赤き 敬子
春の屋上100円玉での遊園地 敬子
恋心漂ふ空のしゃぼん玉 かずみ
飛び乗りし江ノ電に君黄水仙 かずみ
馴れ初めをせがむ孫らやスイートピー かずみ
靖国の御霊に花に笑顔して 恵利奈
気が付けば啖呵も聞かぬ春祭 恵利奈
蒲公英や土手にみつけし在来種 恵利奈
セーターの色華やかや春めける イサ子
春暖炉最後の香を惜しむ夜 イサ子
高く飛べ定規持ち出し凧作り イサ子
長雨の後の芽吹きや三つ葉芹 美和子
先達の逝きし日花一輪咲きにけり 美和子
年ごとに作り重ねて燕の巣 美和子
はしご酒の足元濡らす菜種梅雨 由美
タピオカ店に馴染の顔や受験あと 由美
産土を目指すラッシュや別れ雪 由美
次々と蛤開く佳き日かな モトコ
蒲公英やボール蹴る輪に吾子をさな モトコ
担任の口癖数え卒業す モトコ
押し並べて鬼優しきに豆を打つ 一広
春の夢袋小路にまた出合ふ 一広
マスクして互いに疑惑満員車 一広
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お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。
鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com