シャーロット俳句勉強会 -2月度作品抄 2023

月が替わると、この月にはどんな歴史があったのか?と考えます。

1717年2月、大岡忠相(ただすけ)が江戸町奉行に就任しています。

旗本達の憧れの職でもあり、奉行の在職期間は2,3年と短い。

大岡の在職20年は全くの異例であった。江戸町奉行は、今で言えば東京都知事に警視総監、裁判所長官、消防庁長官、税務署長等全てを兼ねた要職である。

権力をカサにワイロ、袖の下をとる等の問題も多かった。不正を正し、庶民に心を寄せた大岡の長期の執政ぶりは将軍吉宗の信頼はもとより江戸庶民の信頼が如何に大きかったかの証です。「弱い俺達(こちとら)には強いお奉行さまがついてらア」大工棟梁の啖呵が心地よい。

生きた証を残せる者は少ない。俳句を愛している我々には、月毎に悩んで生まれる句に生きた証があるのかも知れない。   一広

2月の作品抄です

鍵盤へ老いの手習ひ事始め       清裕

薄氷を押したる指の引く速さ      清裕

たんぽぽの終の住処は風まかせ     清裕

頬張りて海苔の音良き恵方巻      千恵

初旅やご当地グルメ囲む夜       千恵

節分やまた父の忌の巡り来て      千恵

春きざす口紅一本買ひ足さん      美幸

主の居ぬ庭に今年も梅が開く      美幸

春ショール揃いで母と歩きたし     美幸

伐採の庭に早くも名の木の芽      敬子

しゃぶしゃぶと白湯飲む引退馬のうらら 敬子

リハビリをさぼる口実余寒かな     敬子

息切らす坂にうれしや紅椿      美和子

春うらら文字も元気な友の文     美和子

ぽかぽかの背に聞こゆ昼蛙      美和子

古き家軒の軋みも春待てり      イサ子

軒下の灯りに浮かぶ冬景色      イサ子

渡り鳥耳鳴りまでも消えて去り    イサ子

煮肴食む母の臭ひを思ひつつ      桜子

長廊下期待増しをり開花時       桜子

風はこぶ香の優しさや梅見茶屋     澄江

針供養忘るる行事となりにけり     澄江

長閑さや背広の写真子の成長      澄江

浜どんど火の入る迄の波の音      一広

運命のごとく割かるる花筏       一広

地に住まふ者を気遣ひ田を起こす    一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com