シャーロット俳句会 2020年〜新年作品抄

年初めのシャーロット俳句勉強会の作品集をお届けです!

年の始まり、お正月の遊びと言えば先ず百人一首でしょう。鎌倉時代の

歌人藤原定家が小倉山の山荘にいた時、嵯峨東院の障子の色紙形に天智

天皇から順徳院まで、古今の歌人の歌を一首づつ、百首書いたのがはじ

めです。藤原定家の好みでしょう小倉百人一首には恋の歌が多い様です。

朗唱すれば聞きほれる様な粒揃いの名歌集です。往年宝塚歌劇のスター

たちが芸名につけたのもうなずけます。歌留多会では、何とか好きな歌

だけは取りたいと皆さん愛唱歌を決めておられるようですけど。。。。。

―Ⅰ月の作品抄のですー

ニューイヤー告げる花火の音の冴え     千恵

初富士や白さ際立つ雲の上         千恵

嬰笑ふ爆ぜる餅にも又笑ふ         千恵

初茜海の端染めて昇りけり         美幸

お元日笑みを集めて親のもと        美幸

せがまれし雑煮もやはり母の味       美幸

北斎の赤を借りたや初明り         淳子

初稽古合す箏の音張り詰めし        淳子

羊日やふるさと未だ深眠り         淳子

ひび薬念入りに塗る湯浴みあと       敬子

書を習ふ慣れぬ縦書き年賀状        敬子

竹林の鳴る音も恐し雪しまき        敬子

嫁が君瞬きほどのお持て成し       かずみ

初夢や富士鷹なすびひとつでも      かずみ

大都会てのひらほどの鏡餅        かずみ

里の雑煮かつぶし踊る味自慢       恵利奈

食む毎に弾むセロリの咀嚼音       恵利奈

読初やもっと深くと光秀を        恵利奈

一年の計入る前の寝正月         イサ子

落葉搔袋の数を競ひけり         イサ子

包丁を研いで大根薄切りに        イサ子

摩天楼八十六階の垂氷          美和子

向い風頬に冷たし帰り道         美和子

女子会の円卓回る二日かな        美和子

元旦も母いそいそとディケアー       由美

居間の隅に片手サイズの鏡餅        由美

アフタヌーンティーはパティオで春隣    由美

初日の出浜で分け合ふカップ麺      モトコ

どんど焼きもっともっとと太鼓の音    モトコ

母に聞く玉子の在処おでん鍋       モトコ

海鳥のこゑのくぐもりしぐれらし      一広

ぬばたまの闇ぞ宴ぞ嫁が君         一広

晦日そば風は信濃か安曇節         一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com