2月3日節分、日本では各地の寺院での鬼やらいのニュース、そして2月4日が立春、とは言え三寒四温が続きます。ここシャーロットも似たような気候です。今は水仙が咲いています。そして今朝、公園を歩いていて気が付きました。既に花梨も紅梅白梅も揃って満開を迎えていました。後を追って日本より少し早く桜、そして「州の花」である花水木、更に野山も街も藤や桐の花が咲き乱れる季節となります。春とは、正に俳句の為に神様が用意されたような季節です。雛祭りも各地の日系人たちが待ち望む楽しみのひとつ。春を満喫、俳句を大いに楽しみましょう。今月、2月の作品抄です。
―作品抄―
逆剥けの指にうるほひ春日差し 清裕
つがひ鳥つかづ離れづ水温む 清裕
草野球ボール探せばつくしんぼ 清裕
リハビリの疲れまとひし春愁 桜子
薬飲むボトルの水に春兆す 桜子
今年早や九度も和服で出る出会ひ 桜子
問題の解けないままに春の闇 きなこ
顔洗ふ水の音にも春来る きなこ
駆け抜けるマラソン人や木の芽山 きなこ
春めいて解く暇もなし旅支度 美幸
風光る電話の中のはしゃぐ声 美幸
梅一輪髪に付けたし着物会 美幸
春の月今宵の朱には魅せられて 千恵
春めくやお喋り止まぬ子を連れて 千恵
寒戻る幼子の鼻また赤し 千恵
春の鳥大樹揺らしてかくれんぼ 淳子
猫の背に日のやさしきや今朝の春 淳子
郷の父手を出し確かむ雨水かな 淳子
阿蘇の裾走るが如き野焼きかな 敬子
神楽鈴ごとく囀り日暮れまで 敬子
田楽とお熾し火越しに照りし顔 敬子
日々変はる景色が楽し春の道 イサ子
高台に低き水仙そろひ咲き イサ子
ひもすがら垂れしぶらんこ淋しかり イサ子
春泥にゴルフボールの刺さりをり かずみ
未来拓く平成最後の建国祭 かずみ
立春大吉のどぐろ出汁塩届きけり かずみ
ホームレス去った跡地のクロッカス 恵利奈
土匂ふ重機のロゴに日本製 恵利奈
古事記よむルーツ貴し建国日 恵利奈
冴返るせめて今夜は粥欲しき 美和子
陽だまりや耳に遊ぶは百千鳥 美和子
夢心バレンタインの日のローズ 美和子
震度6揺られし屋根のぼたん雪 由美
同窓会手を振る先に春の月 由美
バレンタイン純な思ひ出今もなほ 由美
木漏れ日の庭に灯めく藪柑子 一広
新しき命こんなに春の土手 一広
里はせせらぎ街がうがうと雪解川 一広