8月の日本には心にしみる行事が続きます。先祖を忍ぶお盆はその最たるものではありますが、何といっても日本が初めて遭遇した敗戦日、そして広島、長崎の原爆投下があります。
長崎忌では、背筋をぴんと伸ばした一人の紳士、90歳を超えた人がその日の光景を静かに語りかけました。そして私共の受けたこの悲劇が世界で最後のものになって欲しいと締め括りました。
この静かな言葉こそ、原爆禁止を厳しく語る運動家や世界平和を訴えるどの政治家よりも民衆の心にひびきました。
―― ふかく深く静かに語る長崎忌 ――
―8月の作品抄ですー
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半夏生はや半年と年重ね 清裕
熟れたまま人手遠のくトマト畑 清裕
横文字の短冊もあり星祭 清裕 。
神の筆賜りたきや夏の雲 千恵
蜂鳥の声でスタート夏の朝 千恵
帰り道ねぎらうやうや二重虹 千恵
百日を待てば良き日と百日紅 美幸
半夏雨牛久の美男雲の中 美幸
星逢や皆で歌った笑った夜 美幸
コロナ禍もどこ吹く風ぞ燕の子 淳子
雨くるかコートに弾む朝の声 淳子
雨上り浴衣の裾を少し上げ 淳子
アマビエの団扇父母への土産とす 敬子
夜濯ぎやアンパンマンのゆらゆらと 敬子
ひと吹きの香水こころ洗はれて 敬子
蓮見舟しじまを破るシャッター音 かずみ
ウォーキングシューズ息づく処暑の風 かずみ
ゴルファーや吸い付いてくる缶ビール かずみ
草むしりよいしよの声が先に立ち イサ子
今朝の風もう秋ですねと人の過ぐ イサ子
青春の白粉花は今も咲き イサ子
友の打つ酢橘がかもす蕎麦の味 美和子
初めてのゴーヤに知るやほろ苦さ 美和子
鬼灯や鳴らしてみせた人しのぶ 美和子
春馬君輝く笑みや白芙蓉 由美
8月15日予科練帽を仏壇に 由美
球磨川氾濫沖の不知火弔ひぬ 由美
手花火の袋ぶら下げ夫戻る モトコ
釣果なきバケツに止まる糸蜻蛉 モトコ
夏休み子どもの作る炒り卵 モトコ
長梅雨にルート66でステップを 百々代
缶ビール心の友となる1日 百々代
球児夢見た甲子園一試合 百々代
旧姓をふと呼び起こす処暑の風 一広
深く深く静かに語る長崎忌 一広
朝まだきもういいかいと牽牛花 一広
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お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。
鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com
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暑さとコロナの二重苦ですが頑張ってください。今後ともよろしくお願いいたします。 カズ