シャーロット俳句勉強会―5月度作品抄 2021

エプリルシャワーにメイフラワー、米国では春の雨を初夏の花の季節

を待つ楽しみに致します。

日本の熱海の今は春の花盛り、天皇家御用邸跡の小さな花壇を

始め、街中のいたるところで、花々が梅雨を待っています。考えれば

梅雨も俳句には欠かせない季語。花達だけでなく季語を持つ俳句

に親しむ者はいつでも四季を楽しめる幸運児と言えます。

五月雨を集めて早し最上川   芭蕉

雨も素晴らしい俳句の種。自然は美しい、だけど、恐ろしい、そして

敬意する者には正面から答えてくれる唯一最高のものです。

―5月の作品抄ですー

兄をまねうしろを前に夏帽子    清裕

老多き里に一つの鯉のぼり     清裕

頂きへ登りを競ふ山桜       清裕

朴の花香りの在処何処ぞと     千恵

鳥の恋木々の間に間のダンスなる  千恵

アマリリス赤を尽くして赤々と   千恵

走り梅雨ゴルフの予定日どことどこ 美幸

新緑や水面隅々青満たす      美幸

マグノリアの香り微かに土産箱   美幸

走り梅雨伸びし芝生をなほ高く   淳子

三つ編みを粋に流して夏帽子    淳子

初浴衣丈揃へるも久しうて     淳子

一軒家名入り幟の勇ましき     敬子

心地よき風はギフトや草むしり   敬子

決めかねる引越し日取り走り梅雨  敬子

花は葉に制服少し馴染みをり    かずみ

青楓のトンネル抜けてうつつなる  かずみ

流し目が決まる男のパナマ帽    かずみ

鳥の群れ騒ぎて止まず青嵐     イサ子

子犬にも救命具つけ夏の川     イサ子

野の花を摘んでは飾る夏帽子    イサ子

パナマ帽ちよつと気取つて夫ポーズ 美和子

若葉風受けてベンチの塩むすび   美和子

一二三とポットの苺赤み差す    美和子

菖蒲の湯明日の弁当何にしよう   モトコ

夏帽子背中に跳ねるおさげ髪    モトコ

故郷の団欒山椒魚の夢       モトコ

冒険心掻きたてられし夏帽子    桜子

コロナ世の望む終焉更衣      桜子

ベランダに7つ目の鉢クレマチス    桜子

大漁を知らせるごとし空に鯉    百々代

学童のはずみし声や花蜜柑     百々代

母米寿朴のリボンの帽子行く    百々代

雨後の道香り確かに朴の花     澄江

夏帽子その内似合ふと海辺かな   澄江

白映える登校児らの更衣      澄江

思い出の全てはここに夏帽子    一広

噴水の瞬を待つ間の静寂かな    一広

孑孑の屈伸運動影差せば      一広

お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。

鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com