シャーロット俳句勉強会―3月度作品抄

シャーロット俳句勉強会―3月度作品抄

(*)今月の一句

春嵐出番少なき万歩計    かずみ

季語の春嵐に対する万歩計の取り合わせが見事です。二つの素材、事物を配合して句をまとめる作句の留意点は、二物の関係がつかず離れずということですが、この場合外の様子に散歩も断念した作者の気持ちが一瞬の間をおいて読み手の胸にすとんと収まります。発想の豊かさに脱帽!

 

海外会員の作品

色褪せし顔いとほしや雛流し       千恵

菜の花やあちらこちらとお辞儀して    千恵

梅香る空の父へも届けたや        千恵

チューリップ今年も色をたがへずに    美幸

花冷や二度寝の後の心地よさ       美幸

桜餅母の手順を思ひつつ         美幸

久々の顔を眺めつ花筵          淳子

花明かり父と奏でる「春の海」      淳子

初恋のいつのことやら朧月        淳子

涅槃図を拝む我また輪に入りて      精孝

春風をまとふ旅立ち友たずね       精孝

春眠の続き続々老いの夢         精孝

 

シャーロット会員の作品抄

春浅し乙女の素足まぶしかり       きなこ

春の空飛行機雲は天を指し        きなこ

春一番ハンドルよろよろ泳がせり     きなこ

待ちわびし新横綱や春怒濤        イサ子

いつの間に積もりしものや春落葉     イサ子

窓辺にて和むひととき春の雪       イサ子

アンティーク風に飾りし春暖炉       由美

春日傘写真の姉の片笑くぼ         由美

お花見や先づは顔ぶれ次料理        由美

春嵐出番少なき万歩計           かずみ(*)

春雷に猫より先に隠れる子         かずみ

佐保姫に誘はれぶらり蚤の市        かずみ

山ほどの菓子盆に盛り雛祭         みどり

群れで来てやがて孤独の汐干狩り      みどり

黄砂降る我が故郷に長崎に         みどり

凍返る津波の教へさらに増し        桜子

白躑躅暦をせかす自然界          桜子

初老ねと恥ぢらひながら春集ふ       桜子

棒切れを先づ探すのも野の遊び       一広

屋根替の屋根を這はせる命綱        一広

春愁を断切る夜のシュレッダー       一広

眠れずに思ひをたぐる長き夜        中藤

「沈黙」の深く静かに春の月        中藤

桜咲く時を選びて旅立てり         中藤

 

☆俳句はちょっと難しそうで自分には無理だろうな〜…..と思っていらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは興味をもつことから始まります。『俳句を詠んでみたいな』と思った方は、お気軽にご相談ください。

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