秋です。気候に恵まれ過ごしやすい季節なのに、何故かさみしい思いが先に立ちます。俳句にもさみしい句が目立ちます。特に「秋風」がいけません。秋風と言うだけでもう清々しいと言うよりも直ぐさみしさが出てしまいます。どうも寒さに向かうことがさみしさを誘うようです。
天気もそう、雨になると天気が悪い、天気がくずれますと表現します。雨不足で天に雨を祈る我々、一方、雨には天気予報士さえも天気は悪化と言います。
「雨雨降れ降れ母さんが蛇の目でお迎え♪」うれしいですよね
雨も風も月も星も、おいしい果物もいっぱいの秋を楽しく詠いましょう。
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―10月の作品抄ですー
秋没日切磋琢磨の友逝きぬ 清裕
床下が今宵の住まいちちろ鳴く 清裕
敬老日世辞は要らぬと喜寿元気 清裕
秋分やコロナの日々は紅いらず 千恵
南瓜の芽出たる話題もZOOMなる 千恵
蓮の実のひよいと顔出す握り飯 千恵
秋晴れとつぶやく夫の目尻皺 美幸
雲の群れ茜草の色に染められて 美幸
秋湿り踏み跡探す登山道 美幸
窓越しの弾けんばかりの柘榴かな 淳子
遠まわりしてコスモスの咲き乱れ 淳子
天窓の円くを映す今日の月 淳子
厨房に夜食の名残り桶の椀 敬子
墓碑守る白をまとうて彼岸花 敬子
台風一過養生テープを残す窓 敬子
ハロウィンのミニーマウスは魔女に化け かずみ
ゼッケンで我が子を見つけ運動会 かずみ
骨接の患者迎へし濃竜胆 かずみ
いくたびも空確かむる今日の月 イサ子
夕暮れやなをも激しき蝉の声 イサ子
栗飯の栗のみ取りて出す茶碗 イサ子
初賜杯故郷におくる土俵入り 美和子
名月にスマホをかざす影三つ 美和子
秋空へ上がる歓声ホームラン 美和子
長期ビザおりた知らせや秋麗 由美
干からびたままの薄皮青蜜柑 由美
自家製のカレーは南瓜の味自慢 由美
望の月団子の行方気になる子 モトコ
木登りの手本をみせる薄紅葉 モトコ
秋空へ綱引く声は多国籍 モトコ
露天風呂底這うかにや枯紅葉 百々代
澄む空に鉛筆ほどの飛機仰ぐ 百々代
若人の群れて惜しむか秋の海 百々代
化粧する妻のハミング山粧ふ 一広
ちんだけをしての伝言秋袷 一広
下界より汽笛の届く菊日和 一広
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お仲間募集: 俳句に興味のある方、俳句は初めての方も歓迎です。下記迄ご連絡下さい。
鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com