シャーロット俳句会 ~5月作品集〜@Charlotte, North Carolina

☆Charlotte Haiku Group (Japanese poetry ) May report☆

シャーロット俳句勉強会の5月度作品抄をご紹介します。

海外会員の作品

メーデーもいつもの如し通勤路     未来

春の暮夕日を背の帰り道        未来

鯉のぼり里なつかしく泳ぎけり       未来

子つばめの口を揃へて四重唱       三日月

朝ぶらけ鳥のささやく聖五月       三日月

空写し風にたはむる犬ふぐり                  三日月

瀬戸内の神話の島に四葩かな      花水木

おのころの小さき社青葉風       花水木

母の日や母娘揃ひの鉢並ぶ       花水木

七十年ぶりの友なり山躑躅       精孝

蜜柑咲く徒長枝を切り実り乞ふ     精孝

千両を真っ直ぐ伸びよと植ゑにけり   精孝

 

 

シャーロット会員の作品

日傘さす姉と見まがふシルエット    由美

扇風機つけて明日の夢語る       由美

押し入れに色の褪せたる夏帽子     由美

二人居の夕餉短かし皐月咲く      きなこ

教え乞ふ女人の家の白牡丹       きなこ

夾竹桃友らは遠くなりにけり      きなこ

ピアニストの鍛錬かな半夏雨      桜子

ピアニストの赤いヒールやアマリリス  桜子

戦ひの無き世であれや雲雀舞ふ     桜子

パイナップル重なりあふて香りをり   イサ子

新緑や棘はちくりと指を刺し      イサ子

冷蔵庫水のボトルの増えしこと     イサ子

兵役の無き世の整列昭和の日      一広

背伸びせり我も我もと今年竹      一広

真白なる雲のまぶしき風五月      一広

 

自句自解

おのころの小さき社青葉風  花水木

青空にさそわれ古事記でお馴染みの神話の世界を旅しました。
イザナギ、イザナミの2尊が天の浮橋に立って青海原をかき回し、
その矛先からしたたり落ちた潮が固まって出来た自凝島(おのころじま)、皆様ご存知の神の国作りの神話にある日本発祥の地を訪ねました。
日本発祥の地は瀬戸内の淡路島の北端にある小島ですが、高さ21メートルを超す赤い大鳥居の奥に2尊をまつる社があります。
大鳥居に比べ社はなんとも小さな質素なものでした。
でも大和の生立ちをまつる社には、初夏の爽やかな風が流れていました。そして何よりも俳句を愛する私を待っていたのは、俳人嵐雪の句碑でした。

梅一輪一輪ほどのあたたかさ―服部嵐雪  

本当に心洗われる旅でした。

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Kazu Suzuki

ka.yariho3182@gmail.com