☆Charlotte Haiku Group (Japanese poetry) March, 2016 report☆
シャーロット俳句勉強会―3月度作品抄
海外会員の作品
春炬燵仕舞ふも覚悟子の笑顔 未来
箱根路の登り下りよ遠霞 未来
内裏雛見るおさな子のすまし顔 未来
椿落ち小舟の如く流れけり 花水木
春灯やいつもの道を足早に 花水木
春の雨あす着るものを選ばねば 花水木
春一番玄関先に土産物 三日月
風さそふ国の桜を偲ぶ道 三日月
どの枝も我こそ先と梅の花 三日月
山友と道の繕ひ山笑ふ 精孝
寒戻りラジオ体操ぎこちなし 精孝
はやばやと筍飯をいただけり 精孝
シャーロット会員の作品
ひな祭歌ってわらべに戻りけり きなこ
よーいどん親子で競った蓬摘 きなこ
成す事のなせぬがままに蜆汁 きなこ
うたたねや国境超へる雪間草 由美
時差ぼけで生まれた句なり春うらら 由美
風光る「命のビザ」という偉業 由美(*)
潮干狩手のいそがしき笑顔かな イサ子
洗車するホースの水もぬるみけり イサ子
待ちわびる便りのありや黄水仙 イサ子
大の字でゐられる生家月おぼろ かずみ
沈丁の香る坂道あと一歩 かずみ
バス停のにはかモンロー春一番 かずみ
花筵場所選びする真顔かな みどり
故郷の人懐かしき花衣 みどり
校庭の池をふちどる杉の花 みどり
投函の心はねあげ春シヨール 一広
迷ふことまだある若さ遠霞 一広
風を得て銀鱗となる春の月 一広
(*)風光る「命のビザ」という偉業 由美
この句の作者は最近バルト三国を旅しました。そしてリトアニアで第二次大戦の初期、ビザを発行することで多くのユダヤ人を救済した杉原千畝の史跡に出合います。当時の国際情勢から本国の許可を得られない中で苦しみますが、人命最優先の彼はビザ発給の為寸暇を惜しんでその任務に当たります。短い詩形の中で作者は何の説明もなく「命のビザ」とだけ詠っています。今の時代、このことは誰もがインターネットで知ることが出来ます。作者の意図はそこにあり、日本人として誇らしく旅の春、正に春光の心境で詠った句でしょう。インターネットで「命のビザ」と入力したくなります。
会員募集:
シャーロット俳句勉強会は、今メンバーの募集をしています。俳句を生涯の友として有意義な人生を持ちたい方、そんな人の輪を広げたいのです。今月みどりさんが入会されました。
俳句を一度も詠んだことの無い方、多少興味はあるが自分で出来るだろうか?と考えてみえる方、大歓迎です。勉強会だからです。会費は無料、興味のある方は下記E-mailの鈴木迄ご一報ください。遠方の方はインターネットで会員になれます。
ka.yariho3182@gmail.com