☆Charlotte Haiku Group (Japanese poetry) October, 2016 report☆
シャーロット俳句勉強会―10月度作品抄
海外会員の作品
幾千の嬰児の手とも紅葉山 千恵
旅の宿柿ののれんに迎へらる 千恵
雨降りて心洗はる古都の秋 千恵
そぞろ寒しづかに目覚むひとり旅 美幸
風のおと峠の宿も秋めきて 美幸
木の実降る音におどろく峠道 美幸
枝先に鴉よろこぶ熟柿かな 淳子
食しても食してもなほ大南瓜 淳子
食べ頃となりて届きし熟柿かな 淳子
うたた寝をやぶられたりか龍田姫 精孝
虫時雨それぞれにある自己主張 精孝 (*)
対岸を暮れ残しをり曼珠沙華 精孝
シャーロット会員の作品抄
旅ドイツ十月なれば手にジョッキ きなこ
白秋の城を見上げてまた一歩 きなこ
金秋に手を振り交はすライン川 きなこ
稲光ねむりし夜を照らしけり イサ子
秋茄子を共に食べたし嫁おらず イサ子
甘きつゆ残して皮のマスカット イサ子
ちろろ鳴く米寿の母の深眠り 由美
松茸にお久しぶりと手を合せ 由美
初紅葉かすかに揺れる銀閣寺 由美
窓越しの金木犀の香に出会ふ かずみ
秋雨に紅白帽の出番無く かずみ
露天風呂うなじも染めて龍田姫 かずみ
鈴虫の名残りのこゑの目覚めかな みどり
あつあつと笑顔をそろへふかし藷 みどり
もみぢ葉のちらほら見ゆる朝歩き みどり
手を引かれ杖つく月夜音楽会 桜子
バイオリン秋の夜空を流れけり 桜子
火山灰阿蘇の秋路を被ひけり 桜子
この空のどこまで平和いわし雲 一広
村の子よいづれ誰かは木守柿 一広
鬼やんま子等声をあぐ空にあぐ 一広
(*)今月の一句
虫時雨それぞれにある自己主張 精孝
虫時雨は虫の鳴き競う音を時雨にたとえた美しい秋の季語です。コオロギ科の中でも「ルルル」と美しく鳴く邯鄲、「リーンリーン」と鳴く鈴虫、「チンチロリン」と鳴く松虫、「チンチン」と鳴く鉦叩、自分の音で鳴き続けます。選者はこの句に今の世情を連想します。国連の無力化、常任理事国の力も薄れ、200国近くにも増えた独立国家がそれぞれの自己主張を始めました。良いのか?悪いのか?、とにかく自然界は自由に自由を謳歌しています。
俳句は難しくて自分には無理!と思っていらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。まずは興味をもつことから…俳句を詠んでみたいな、と思った方はぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせ先:KAZU SUZUKI
<ka.yariho3182@gmail.com>