メキシコに住んで長い年月が流れ、41回目の秋が来ました。9月は“祖国の月”と呼ばれ、国中の町々は国旗色である緑、白、赤の飾りで彩られます。
歴史をたどりますと、1810年9月16日の夜明け、ドローレス村のミゲル、イダルゴ神父は教会の鐘を合図に先住民や混血民を率いて武装蜂起し、スペインからの「独立の叫び」を上げました。イダルゴ神父は「独立の父」として国民の英雄的存在です。何年か前にドローレス村を訪れました。この教会の佇まいは今も変わらず、広場には人々が仲良く散歩していました。 毎年9月になると、この教会の鐘の音が聞こえる様な気がします。 千恵
秋風の山をまはるや鐘の声 加賀 千代女
9月度の作品抄です
棚経の読経短く僧多忙 清裕
新涼やあの地この地へ旅心 清裕
ころころと子猫ころがす猫じやらし 清裕
波の上走る潮風秋めいて 千恵
稲光一瞬海を失へり 千恵
水澄むや紺碧に浮く舟ひとつ 千恵
秋の蝉声に誘はれ朝の道 美幸
窓開けて見惚れる程の星月夜 美幸
秋涼し嬉しき知らせ二つ三つ 美幸
風の盆胡弓かすかに試験前 敬子
新種とはポップをご覧じ月見豆 敬子
麦とろは母への力父の為 敬子
茗荷咲くここに大きく咲きにけり 美和子
新涼や俳句手帳を道づれに 美和子
コスモスの波にゆらるる家路かな 美和子
縁側におちよこ持ち出す月見酒 イサ子
よいしよからかけ声出して秋の日々 イサ子
一面に雑草の花秋景色 イサ子
秋暑し介護士とする俳句談 桜子
さらにさらに大雨となり厄日かな 桜子
黙々と浸水はきだす九月なり 桜子
年古りて億劫になる更衣 澄江
いつの間に世代は移る秋の暮れ 澄江
八ヶ岳どこまで続く星月夜 澄江
この小さき滝も大河の旅はじめ 一広
行く先は住めば都ぞ草の絮 一広
生きるとは夕陽を目指す雁一羽 一広
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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com