弥生三月桜が咲いて、、、と言う歌もあります、三月も半ば早いところでは桜が散り始めています。三月と言えばやはり雛祭り、我が家ではお仲間の方が持ってこられた7段飾りの立派なお雛様の前で十数名のお姫様方での賑やかな雛祭りとなりました。中には90歳を越された方も着物姿で紅を指し、やはり女性は楽しみ方を知っております。
―作品抄―
雑草へ恵み等しく穀雨かな 清裕
春日和信号無視の老歩む 清裕
しばらくはまどろみのなか日向ぼこ 清裕
雨続くやさしき人に春夕焼 桜子
若柳結んで活ける文字平和 桜子
足早やな芽吹き穏やか続くやう 桜子
白酒に頬染む中に古き友 美幸
松雪草雪無き夜はさみしさう 美幸
里帰り春告鳥のこゑの中 美幸
風待つか海渡るてふ蝶の群 千恵
幼子は雛と一緒に寝ると泣き 千恵
初産の祝ひは雛を伴いて 千恵
あれこれと計らふのみで花疲れ 淳子
懐かしや鶯のこゑ母の声 淳子
ジャカランダ咲く裏山の尾根伝ひ 淳子
三椏の花の鈴なり中馬の地 敬子
古雛やふたつみっつと頬のしみ 敬子
種いもの植ゑ時惑ふ穀雨かな 敬子
咲く時も散る時も皆足を止め イサ子
時くれば風にまかせの花の塵 イサ子
穀雨なる苔の庭にも野花出づ イサ子
連翹と色を競ふかカーディナル かずみ
雛祭卒寿も浮かれ紅を指し かずみ
友集ひ還暦祝ふ薔薇芽どき かずみ
行く雁や「贈る言葉」の歌を背に 恵利奈
しづまるる野原も空も雉来ぬ日 恵利奈
平成の託す次の代花筏 恵利奈
鳥の恋おだやかな陽の窓明かり 美和子
雛飾る弓手のスマホに導かれ 美和子
春雨や「紅緒のカッコの」子のなげき 美和子
うららかや曽孫も集ふ一周忌 由美
税務署をはみ出す列に初つばめ 由美
露天風呂灯にはんなりと山椿 由美
これなあに小さき指の蕗の薹 モトコ
時差ぼけの水晶体に花ミモザ モトコ
雛納めそして異邦の人となる モトコ
新しき命こんなに春の野辺 一広
放たれて風船大河に目覚めけり 一広
せせらぎは春の宵待つセレナーデ 一広
*今月から新しい仲間、モトコさんを迎えました。
会員一同、心から歓迎。皆さん喜んでいま~~す。