シャーロット俳句勉強会-12月度作品抄

Photo: kyoto 

早いものでもう十二月です。時の流れを実感出来るこの時期が好きです。動物の中で人だけが「時は流れる」と感じます。

二度と戻ってこないことへの思い、良い事も悪い事も時が洗い流して行きます。今俳句の世界では、私達の様な初心者も含め多くの者が「俳句のユネスコ無形文化遺産登録」へ関心を示しています。17音字と言う世界最短の文学というだけでなく、この短詩の中に季語があり、消えゆく自然を愛する世界で唯一、例のない文学だからです。私達もこの一年そうして来ました。また来年もそうして行きます。俳句は生涯の文学、仲間で評価し合う「輪の文学」と言われる由縁です。運命で手に入れたこの宝物を大切に持ち続けて参りましょう。では、今年最後の作品抄です。

          ―作品抄―

天高しハングライダー点となる       清裕

同窓会尽きぬ雑談秋夜長          清裕

脳トレを解きつ眠る日向ぼこ        清裕

冬雲雀見て笑む母よ車椅子         桜子 

焼き芋の皮むく夫むけぬ妻         桜子

クリスマス平和を願ひ点くライト      桜子

靴底のサクサクと鳴く霜の花        きなこ

静寂は幸せを呼ぶ初の雪          きなこ

冬の日や歴史を今に兵馬俑         きなこ 

散歩道水面の千鳥寒々と           美幸 

おぼろげな記憶の母と行く枯野        美幸 

笑む父をカメラで追って冬の街        美幸 

ホットワイン焚火に照らさる赤ら顔      千恵

ポインセチア新種も揃へ店先へ        千恵

冬桜山あいを行く風かたし          千恵 

早いとは暦の余白の消える様             淳子   

着ぶくれの増えしテニスコートかな      淳子 

大根も面取りひとつ味まろし         淳子 

雨上り落葉踏む音濡れしまま         敬子

冬あかね着陸輪をはきと見せ         敬子 

未読部を幾度も開く夜長かな         敬子 

初雪を待ちかねる子等叫ぶ子等       イサ子 

雪解けのせせらぎの音風の音        イサ子 

ポインセチア我が家に欲しき赤選ぶ     イサ子 

山茶花に送り出されしこの寒気       かずみ 

三寒四温抽斗幾度と開き閉めて       かずみ 

押しくらまんじゅう寒雀らのぱっと散り   かずみ

ローズマリーの香も漂ひぬ聖夜かな     恵利奈 

ラストランの指差称呼よ冬ぬくし      恵利奈 

掛声と打ち込む除夜の遠響き        恵利奈  

晦日蕎麦夫の決めし温め麺         美和子

銀世界耳もキーンと鳴る寒気        美和子

次々に来て餌をつつく雪の庭        美和子 

もてなしと大福に詰め冬苺          由美 

年の瀬や遠き道のりしのぶ酒         由美  

スケーター記録塗り替へなほ孤高       由美 

うつ田姫富士に白無垢まとはせり       一広

てつちりや亡き友のみがはやされて      一広

馬下げて山風のみの日暮れかな        一広

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