シャーロット俳句勉強会 – 6月度作品抄 2020

ノースカロライナはこの一週間、毎日雨の予報です。まるで日本の梅雨のような空模様が続いています。長い隔離生活から規制が徐々に解かれ、最近は至るところで人手が多くなっていた矢先のこの雨模様。『まだしばらくはソーシャルディスタンスを取って、できるだけ家でおとなしく生活しなさい』との空の神様からの声にも聞こえます。

南部の夏は長いですから、この雨で一息ついて暑い夏に備えましょう。

– 6月末月の作品抄です –

更衣レジ打つ指の軽やかさ              清裕

参道の新緑の影霊気満つ               清裕

ハトバスや隣の席は若葉風              清裕

豆飯の香に魅せられて夫きたる            千恵

今年また月下美人の香に酔ひぬ            千恵

無花果の実り確かむ道すがら             千恵

父の日や土産は共に居たいだけ            美幸

再会のカットグラスに注ぐお酒            美幸

ガーベラや背伸びをしても見えぬ郷          美幸

無花果の熟れて葉陰に身を隠し            淳子

父の日ややはり鰻と老いの笑み            淳子

打ち水の程なく消えて黄昏る             淳子

布袋草ちよこなんと座す雨蛙             敬子

夏陽透く燭台のステンドグラス            敬子

二分せしメロン愉しむ誕生日             敬子

シェルブールの雨傘観た日梅雨晴間          かずみ

走り梅雨赤いスポーツカー飛ばす           かずみ

夕立や打ちのめされしデッキチェア          かずみ

胡瓜揉レシピ無くとも父の味             恵利奈

ハンカチは交換日記のエピローグ           恵利奈

噴水も流行り病か涸れ果てぬ             恵利奈

宿題の鳥の観察夏の朝                イサ子

梅雨入りや頭痛とともに始まりぬ           イサ子

マスクかけコロナ対策続く夏             イサ子

滲む汗箒片手に梅雨の朝               美和子

梔子の香に足止める朝まだき             美和子

ハナ棒を取って神輿の夫が行く            美和子

リモート講座添削済ます梅雨晴間           由美

冷麦も音は駄目ねと夫の笑み             由美

なつかしき子に明け渡す夏座敷            由美

梅雨籠り足にぶつかるラジコンカー          モトコ

満腹と言ひつつ摘まむさくらんぼ           モトコ

膝小僧揃いの柄の半ズボン              モトコ

山からの風ももてなす川床料理            一広

思ひ出の溢れまたたく星降る夜            一広

平和とはゆったりとあれ蝸牛             一広

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