シャーロット俳句勉強会 – 12月度作品抄 2022

今年の日本は立冬を過ぎても季節外れの暖かさが続きました。たそがれ時に半袖姿で下校する小学生や、とっぷりと日が暮れてもなお公園で遊ぶ子どもたち、窓を開けたままなのかご近所さんからの夕餉支度の香りも届きます。

異常気象に不安を覚える昨今ですが、ふと、変わりなく日は短くなるのだなあと思いました。日暮れが早まると急かされる気もしますが、日が短くなってきたことを実感できるのは心のゆとりとも思えありがたく感じます。

12月に入りいよいよ冬らしい寒さが到来です。冷え込み厳しい日々には温かさも恋しくなるでしょうが少しだけ「冬ならでは」を味わえる心の余裕が持てればと思います。  田中敬子

歩道橋にて短日の星に会ふ 戸田喜久子

12月の作品抄です

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たい焼きの頭迫り出す紙袋      清裕

幼子は落ち葉捕まえしたり顔     清裕

年新た変はるこの世を見届けん    清裕

ひれ酒や夜は長しと語り合ふ     千恵

ホットワイン凍てつく風も頬で撥ね  千恵

毛糸編む帽子に熊と子のねだり    千恵

日記買ふ新たな日々に思ひ馳せ    美幸

カーディガン細りし母の背を思ふ   美幸

雪起こし子らは朝からはしやぎをり  美幸

揉め事の最中に届く松葉蟹      敬子

母の盛る冬至南瓜の香ばしく     敬子

冬薔薇父を見ている父の部屋     敬子

冬のW杯二点ゴールにハイファイブ  美和子

裸木に穴点点と鳥去りて        美和子

二駅を耐える眠気の暖房車       美和子

なつかしき自家製沢庵夫の居て      澄江

どの店もどの角も早やクリスマス   澄江

産土の古き土間にも初明り      澄江

虎落笛若しや古城の鬨のこゑ     一広

二人とは家の始まり年新た      一広

汽水湖の音がうがうと去年今年    一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com