シャーロット俳句勉強会 -10月度作品抄 2023

夜遅く帰宅すると郵便受けに回覧板が入っていました。いつ回されたのか、足止めしていなかったか気になります。回覧板は昭和の初め頃、隣組の連絡手段として普及されたようですが、今ではその必要が問われている様です。

昔、集合住宅で暮らしていた頃は掲示板でお知らせを受けていましたので、長い外出で回覧を足止めする心配、又、出がけに回ってくると確かに面倒に感じます。しかし時代遅れと片付けるには勿体ない様にも思います。慌てて開いた回覧物は「赤い羽根共同募金の案内」と各家庭に一本の赤い羽根でした。秋の深まりを知らせて貰えたように感じます。   敬子

秋の羽根国主のごとく神めぐり  角川源義

10月度の作品抄です

瘦せ細る秋刀魚悲しや我庶民      清裕

秋没日切磋琢磨の友逝きぬ       清裕

浜万年青浜辺の生家すでに無し     清裕

朝陽さす草陰になほ虫の声       千恵

名月や友の話に夜を忘れ        千恵

見たことも無き茸並ぶ市場街      千恵

人溢れ秋果も溢れ朝の市        美幸

秋の雲静けき水面を泳ぐか       美幸

茸狩り香りを今も懐かしく       美幸

コスモスに囲まる田屋の作業跡     敬子

身に入むや崩れし橋に茂る樹々     敬子

温室の茸にもある旬の味        敬子

謝りに了解てふ文菊日和       美和子

我が影に子犬が遊ぶ今日の月     美和子

どの茸も毒持つかもや色怪し     美和子

胸の鼓動初めてと言ふ茸料理     イサ子

コスモスの風にも負けず名も知らぬ  イサ子

秋の野やいつしか列車も夢の中    イサ子

頂きし豪華や松茸土瓶蒸し       澄江

黄葉して夫と尋ねる東北路       澄江

身に入むや星につぶやく古き傷     澄江

今日のこと明日に古し新松子      一広

花火果て空ゆるみ行く人の声      一広

待ちわびる物のひとつに初紅葉     一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com