シャーロット俳句勉強会3月度作品抄- 2022

母は桜が大好きでした。北陸では染井吉野がやっと開く季節の生まれでした。

6年も前の事ですが、故郷金沢の犀川のほとりで母の誕生日を祝いました。咲き誇る枝垂桜の下、頬をチップとデールの様に膨らませて幼児の様にローソクを吹いていた母、その笑顔が今も思い出されます。

季語の「枝垂桜」は細い枝が幾筋も垂れさがり花をつける姿に一名、糸桜とも呼ばれています。その可憐さを一体どのような感性の方が最初に表現したのでしょう。

歳時記で見つける日本語の美しさ、奥深さにいつも感動致します。

さて、みなさんはどんな思いを桜と共有していらっしゃいますか?    淳子

さまざまの事思い出桜かな   松尾芭蕉

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3月の作品抄です

粒あんと思い定めし草の餅     清裕

植木市通路をふさぐ苗の束     清裕

春一番どこふく風とシニアカー   清裕

読みかけの書を開きたき春の夜   千恵

葱坊主どちら向いても丸坊主    千恵

蓬餅思ひは母との蓬摘み      千恵

人去りし庭にちらめく忘れ雪    美幸

母ぽつりきつと今頃梅見頃     美幸

夫と行く旅の途中の植木市     美幸

苗床に傾く双葉陽をさがし     淳子

苗木市色の多さにとまどひぬ    淳子

愛猫の魂のごと蝶の舞ふ      淳子

春浅しせせらぎなづる風硬し    敬子

とねつこが先づ飛び出して牧開き  敬子

草餅を半分つこする二人の夜    敬子

春めきて乙女心に静電気      かずみ

弟とうとうとしつつ春炬燵     かずみ

普段着の神主も来て植木市     かずみ

植木市小さき鉢に山野草      美和子

枝陰にこそりと入るや鳥の恋    美和子

ボクサーの古希に抗ふ春嵐     美和子

植木市名に惹かれけりプリンセスダイアナ 桜子

強東風や病む身ひとりの佇まひ   桜子

寄り道で見つけし蓬の蓬餅     澄江

早々と園児飛び出す春の空     澄江

うりずんやリハビリ後の顔ゆるみ  澄江

雛あられだけで明るい夜となりぬ  祐子

草餅が今宵の主役絶ゆぬ笑み    祐子

愛犬の食細くなる春の闇      祐子

せせらぎや人声交へ春の川     一広

手に嬉し今朝のぬくしや唐津焼   一広

子の未来思ひながらの植木市    一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)Email:ka.yariho3182@gmail.com