シャーロット俳句勉強会 -9月度作品抄 2020 

九月、俳人正岡子規が生まれ、そして亡くなった月、九月は別名長月、菊月、紅葉月等と呼ばれ俳句には欠かせない月である。 子規はほととぎすの別名、子規本人が結核で血を吐くが、「鳴いて血を吐くほととぎす」にちなんで自らの雅号とした。 一方、面白いのはスポーツに余り興味を示さなかった彼が野球にはのめり込んだ。並大抵の趣味ではなく選手でもあり、近代野球界へも貢献している。 野球という言葉自体が彼の本名。升(のぼる)すなわち、日本語の野球の語源「野の球(ボール)」からきているのだ。彼は生涯54もの俳号を持つが、その中に盟友の漱石や野球もある。 短い生涯を病の床で過ごしながら、俳句に近代文学としての地位を確立して逝った子規、34歳。 糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな  1902年9月19日  子規逝く 糸瓜の水は痰きりに効く。子規の忌を糸瓜忌とも言う。

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シャーロット俳句勉強会 – 7月度作品抄 2020

夏河を越すうれしさよ手に草履  与謝蕪村 コロナ事件で旅も思う様に出来ないご時世ですが、旅はやはり楽しいもの。遠くへ行けないご時世ですが、7日9日は浅草の「ほうずき市」翌10日が四万六千日(しまんろくせんにち)といって、この日にお参りすれば四万六千日お参りしたのと同じ功徳があると言われ、人がどっと押し寄せる。俳句を志す者にとっても忘れない夏の季語。肉体的な苦労をいとわず心を込めてお願いする事もせずに、楽が出来る事にしたのは慈悲深い観音様?お寺のお坊さん?そこで一句、 “夫婦らしほうずき市の戻りらし”  高浜虚子

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シャーロット俳句勉強会 – 6月度作品抄 2020

ノースカロライナはこの一週間、毎日雨の予報です。まるで日本の梅雨のような空模様が続いています。長い隔離生活から規制が徐々に解かれ、最近は至るところで人手が多くなっていた矢先のこの雨模様。『まだしばらくはソーシャルディスタンスを取って、できるだけ家でおとなしく生活しなさい』との空の神様からの声にも聞こえます。 南部の夏は長いですから、この雨で一息ついて暑い夏に備えましょう。

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シャーロット俳句勉強会―5月度作品抄 2020

初夏の季節、米国では昔から「エプリルシャワーにメイフラワー」という 言葉があります。でも今年は5月になっても連日雨の日が続いいています。 日本の梅雨期の様ですが、蒸し暑さは全く無く肌寒い雨の日々です。 カリブ海を北上した台風が米国南東部海岸をさ迷っているからです。 この雨は日本の梅雨季の句を作るにはまたとない機会です。海外での俳句 作りのネックは日本との気候の違いにあります。 晴れ上がった夏空には勇気と明るさがありますが、静かに降り続く雨には 又別の詩情をかきたてるものがあります。

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シャーロット俳句勉強会 – 4月度作品抄 2020 … Charlotte,NC

昨今の世の騒ぎ、例の新コロナウイルスの脅威ですがある意味では自然の出来事なのかも知れません。 以前から学者達が警鐘を鳴らして来た人類の最後の敵はウイルスとの戦いになる。 この自然な出来事が起きたに過ぎません。万物の霊長である人類、神の忠告にも関わらず自然界を自由に操り高度な武器を操り自分たちに不都合な動植物の全てを抹殺し万物の頂点に立った人類、最後は見えない微生物との戦いになります。 この結末は、人類の10倍も100倍も長寿の大木達がじっと見守っています。 私たちは醜い争いで無く神に感謝し自然を愛でる季語を持つ文学に邁進し、自然の中を逞しく生きて行きましょう。

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