シャーロット俳句勉強会 – 10月度作品抄 2019

秋は何といっても月に心が惹かれます。旧暦の八月十五日,一年でこの月が澄んで最も美しいとされる。名月と呼ばれるものです。

旧暦九月十三日の月、十三夜は名月に対し後の月という。夜は肌寒さも感じられる頃で華やかな名月の十五夜違い、もの寂びた趣がある。多くの詩歌に歌われる名月と十三夜の違い、俳句を知る者が判る十三夜への哀愁である。

―十月の作品抄ですー

秋出水ここまで来たと老の指す        清裕                                               

息災の友旅立ちぬ秋の暮              清裕

秋すだれ洩れる光のなほ強し         清裕

逞しきこの地の芒父のやう          美幸

新走り待っていますと母の言ふ        美幸

稲つるび時の移りに気付く朝         美幸

色鳥の飛ぶ度揺れるセージかな        淳子   

限りなく熟す葡萄の地平まで         淳子              

家庭菜園籠一杯となる林檎          淳子

深呼吸胸いっぱいの秋気かな         敬子

黄昏やモノクロームの彼岸花         敬子

台風に負けずに育つ大南瓜          敬子           

暮の秋手を離さずに善光寺         かずみ

信濃路や林檎の歌を思ひ出す        かずみ

秋深ける指ふやけゐる露天風呂       かずみ

子供らの募金の声や秋高し         恵利奈

蜜入りの林檎を選ぶ買出し日        恵利奈

出窓いっぱい秋のパノラマ流れをり     恵利奈

秋の旅友へ一句をしたためし        イサ子

空き部屋の隅より先に秋来たる       イサ子

表札をかくすが如く芒伸ぶ         イサ子                                               

彼岸花つかず離れず人の世に        美和子

庭先のレモンの刺激楽しめり        美和子

灯の入りて南瓜の瞳動き出す        美和子

秋天や互ひを讃へノーサイド         由美

もてなしも苦手な茸は皿の脇         由美

友にしか分らぬ覚悟秋遍路          由美

栗御飯湯気も搔き込む握り箸        モトコ          

異次元へ消える尾灯や霧の中            モトコ

菱の実を茹でる女のふくらはぎ           モトコ

動物はもう現れぬ秋の空           一広

歌声を先頭に子ら花野みち          一広

月今宵ニンフの森に浮かびたる        一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki

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