シャーロット俳句勉強会 -5月度作品抄 2023

寒暖差の激しい晩春から初夏、人間には堪える気候です。でも草花たち

は時来たりと、花を咲かせ緑の葉を揺らせます。草花と言えば、NHK の

朝ドラ「らんまん」のモデル、日本の植物学の父、牧野富太郎博士が浮

かびます。調べたところ、博士も俳句を詠んでおられました。

愛する草花たちの生き様を瞬時に切り取り、心に残す博士の姿が想像で

きます。今や世界に誇る日本文学の俳句、「目に写し心に留める」その

神髄の下、気後れすることもなく素直に詠める様になりたいと思います。

                                                                                    – 田中 敬子

   

布にすりし昔の里やかきつばた - 牧野  富太郎

5月度の作品抄です

花束の脇役なれどかすみ草      清裕

プロ棋士の新茶一服勝ち筋へ     清裕

若葉風時に悪戯鳩の糞        清裕

掘り起こす土の匂ひや早苗月        千恵

五月雨や今一服と勧める茶      千恵

洗ひ髪眺めていたき夕日かな     千恵

武者人形大きな眼吾子に似て     美幸

白靴おろす3年振りの旅に向け    美幸

卯の花腐し荒れた庭にも降り続く   美幸

筍届く見直すけふのお献立      敬子

空豆の寒天の角すつきりと      敬子

巣立つ子の部屋に息吹の武具飾る   敬子

薫風や家族も忘れ森の道      美和子

伴侶待つ新樹の蔭のカーディナル  美和子

蠅除の既定の位置で果たす役    美和子

洗顔の水に教はる立夏かな     イサ子

母の日や去年と同じ子のカード   イサ子

微動だにしない蜥蜴に時忘れ    イサ子

アマリリス花名問はれる生花展    桜子

母の日や手作り膳のおもてなし    桜子

さくらんぼフルーツ好みの友百寿   桜子

五月晴れ眼下の林雲のごと      澄江

薫風や大空青く雲ひとつ       澄江

荒南風や鉢植えの葉を皆飛ばし    澄江

峰々をこだまの走る山開き      一広

父の影次は母やと走馬灯       一広

先ず母に見せて頂く柏餅       一広

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鈴木一広(Kazuhiro Suzuki)

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