シャーロット俳句の会〜4月度 (’19) 作品抄

桜に浮かれていたら、ここノースカロライナはもう新緑が眩しい季節になっています。確かに季節は少しづつ変わってきているようです。トランプさんは「地球温暖化はフェイクだ、誰かが金儲けをしようとしている」ですが、確かに春が短くなり温帯地方は亜熱帯に、亜熱帯地方は熱帯地方にと動いている感覚です。俳句も四季に敏感になり、一年は四季でなく二十四節気の感覚で取り組む必要があります。季節に感謝、自然を謳歌する世界で唯一の文学である俳句を知った喜びを忘れずに頑張りましょう。

―作品抄―

春風や病室よりの富士の山        百々代

限られし生に子孫と花の時        百々代

花びらを追って少女や宙に舞ふ      百々代

絵を描く人も絵となる春景色        清裕

ひな壇を子猫巧に昇り降り         清裕

図書館にかすかな寝息春日差す       清裕

宅地化にまた消え行くか藤の花       桜子

夕霞むほのかに白き花水木         桜子

芝青む子育てのごと手を掛けて       桜子

次の世を託し名残りの花筏         美幸

花の名を親子で探る母子草         美幸

遅れ咲き今や盛んと飛花落花        美幸

里便りどれにも桜溢れをり         千恵

蓬摘む丸い背中は妣に似て         千恵

蒲公英や子の忘れずに指す黄色       千恵

孫も来て爺も浮かれの花筵            淳子

花冷や不忍池賑はうて           淳子

寒戻る箪笥の着物子に与え         淳子

高層の谷間に美しき桜道          敬子

ひねもすの鼻の不機嫌春の風邪       敬子

ふうしてとまたせがむ子の風車       敬子

花ひとひら手提げの中にいつの間に    かずみ

母の手に老いをみつけし花見かな     かずみ

ベレー帽おまへも飛ぶか飛花落花     かずみ

春愉しエンジンかかる筋トレ日      恵利奈

珍鳥にどよめく一行春の朝        恵利奈

イチローの引き際美しき春の夜に     恵利奈

名残り雪富士はあまねし薄化粧      美和子

木々の芽をぱんと叩いて香り立つ     美和子

次の代へゆるり棹差す花筏        美和子

発表は「令和」沸き立つ春の朝       由美

職辞して地図なき道や春の虹        由美

旅うらら片言英語よ母もゐて        由美

背もたれで溺れゆくなり春の夜      モトコ

花冷や夕べのカレー温める        モトコ

駆けまはるポニーテールや飛花落花    モトコ

佐保姫の衣擦れめける風の過ぐ       一広

泣き止まぬ子にやる風ぞ風車        一広

放たれて風船自由てふ不安         一広